iPhone 17シリーズが発売されて数ヶ月、街中でも新モデルを手にする人が増えてきました。初期レビューを見る限り、Appleは確かに堅実なスマートフォンを送り出したと言えます。特にiPhone 17 Proは、48メガピクセルの望遠カメラや18メガピクセルのセンターステージ機能を搭載し、従来モデルから着実に進化しています。
しかし、私はあえてiPhone 17シリーズをスキップすることにしました。
もちろん予算的な制約もあります。けれども、たとえ資金に余裕があったとしても、結局は同じ選択をしたと思います。現在iPhone 16 Proを使っている身としては、iPhone 17への乗り換えよりも、iPhone 18シリーズを待つ方が圧倒的に価値が高いと感じているからです。
今回は、なぜ私がiPhone 18を待つことにしたのか、その戦略的な4つの理由を詳しくお話しします。同じように機種変更のタイミングで悩んでいる方の参考になれば幸いです。
最新トレンド:スマートフォン市場の大きな転換点
折りたたみ時代の到来と発売スケジュールの変化
スマートフォン業界は今、大きな転換期を迎えています。2026年秋に発売されるiPhone 18シリーズでは、上位モデル(iPhone 18 Air、iPhone 18 Pro、iPhone 18 Pro Max)と折りたたみiPhoneの4モデルが先行して登場し、標準モデルのiPhone 18とiPhone 18eは2027年春にずれ込むという予想が業界で広まっています。
これは単なる発売スケジュールの変更ではありません。Appleが製品戦略そのものを見直し、より高付加価値なモデルに注力しようとしている証拠です。折りたたみiPhoneという新カテゴリーの投入は、iPhoneの歴史においても一大イベントとなるでしょう。
スマホカメラの進化:可変絞りの衝撃
iPhone 18のハイエンドモデルでは、広角カメラが可変絞りカメラにアップグレードされる見込みで、ユーザーは手動でレンズの絞りを制御できるようになります。これはデジタル一眼レフやミラーレスカメラに搭載されているプロ向け機能です。
可変絞りとは何か?簡単に言えば、レンズを通過してセンサーに届く光の量を調整する仕組みです。絞りを開けば(F値を小さくすれば)明るく撮れて背景がボケやすくなり、絞れば(F値を大きくすれば)全体にピントが合った写真になります。現在のiPhoneは絞り値が固定されているため、この調整ができません。
私は趣味で風景写真を撮るのですが、スマホで撮影すると「もう少し背景をシャープにしたい」とか「ここだけにピントを合わせたい」といった微妙な調整ができず、もどかしい思いをすることがあります。可変絞りが実現すれば、そんな悩みも解消されるかもしれません。
理由1:カメラ技術の革命的進化を期待

iPhone 17のカメラは「まだまだ」だった
確かにiPhone 17シリーズのカメラは進化しました。iPhone 17は48メガピクセルの超広角カメラ、17 Proは48メガピクセルの望遠カメラを搭載し、すべてのモデルに18メガピクセルのセンターステージ機能が付いています。これらは12メガピクセルセンサーからの着実なアップグレードです。
しかし、冷静に分析すると改善の余地は山ほどあります。
iPhone 17 Proの光学ズーム問題
iPhone 17 Proの光学ズームは4倍までです。それ以上はデジタルズーム、つまり画像を拡大してトリミングするだけになります。デジタルズームは画質が劣化するため、遠くの被写体を撮影するときに不満が残ります。
私は昨年の夏、沖縄の離島でホエールウォッチングに参加しました。船上から躍動するクジラをiPhone 13で撮影しようとしたのですが、光学ズームの限界を痛感しました。デジタルズームで無理やり引き寄せても、画質が荒くてSNSにアップする気にもなれない仕上がりでした。
望遠機能がない標準モデルの悔しさ
標準のiPhone 17には望遠レンズがありません。Google Pixel 10などのAndroid競合機種には望遠機能が搭載されているのに、です。これはAppleの製品戦略かもしれませんが、ユーザーとしては納得できません。
さらに、iPhone 17 Airに至っては広角カメラが1つしかなく、マクロ撮影すら不可能です。薄型化と軽量化を優先した結果とはいえ、これでは日常的な撮影にも制約が多すぎます。
iPhone 18で期待される3つのカメラ強化ポイント

iPhone 18では以下の3つの大きな進化が期待されています。
1. 3層積層型イメージセンサーの採用
Samsung製の3層積層型イメージセンサーが、少なくとも1つのカメラに採用される可能性があります。このセンサーは従来の2層センサーと比べて、ノイズを低減しダイナミックレンジを向上させる技術です。
ダイナミックレンジとは、写真の中で最も暗い部分から最も明るい部分までの階調の幅のこと。これが広いほど、逆光でも白飛びや黒つぶれが少ない写真が撮れます。私がよく撮影する夕暮れ時の風景写真では、空の明るさと地面の暗さのバランスが難しく、いつも苦労しています。このセンサーが実現すれば、そんな難しいシーンもきれいに撮れるようになるでしょう。
2. 望遠性能の全面的な強化
iPhone 18 Proでは高感度撮影性能が向上し、より遠くの被写体もクリアに撮影できるようになると予想されます。また、標準のiPhone 18にも、たとえ旧型の12メガピクセルユニットであっても、何らかの望遠機能が追加されるのではないかと期待しています。
Appleがここ数年、Pro以外のモデルで望遠カメラを省略してきたのは事実です。しかし競合他社が軒並み望遠機能を標準搭載する中、Appleもいつまでも無視できないはずです。
3. 可変絞りによる表現力の拡大
可変絞り機能によって、iPhone 18のメインカメラは物理的に絞りの大きさを調整し、センサーに届く光量をコントロールできるようになります。これにより夜間撮影性能が向上するだけでなく、被写界深度(ピントが合う範囲)を自在にコントロールできるようになります。
プロのカメラマンが一眼レフで撮るような、背景がきれいにボケたポートレート写真も、より自然に撮影できるでしょう。現在のiPhoneのポートレートモードはソフトウェア処理でボケを作り出していますが、どうしても不自然な部分が出てきます。物理的な絞りでボケをコントロールできれば、より本格的な写真表現が可能になります。
理由2:パフォーマンス向上の「物足りなさ」
iPhone 17の性能向上は正直「微増」
iPhone 17 Proの公式ページを見ると、興味深いことに気づきます。パフォーマンス比較のドロップダウンメニューで、iPhone 16シリーズのどのモデルとも比較できないのです。これは何を意味しているのでしょうか。
答えは明白です。比較すると性能向上が地味すぎて、アピールポイントにならないからです。
実際、iPhone 15 Proと比較しても、iPhone 17 ProのCPU性能はわずか20%の向上、グラフィック性能は50%の向上に留まっています。iPhone 16 Proと比べれば、その差はさらに小さいでしょう。3Dゲームを頻繁にプレイする人以外には、体感できるほどの違いはないかもしれません。
そもそも私は、スマホで本格的な3Dゲームをプレイするなら、ゲーミングノートパソコンかSteam Deckを使いたいタイプです。
私の実体験:iPhone乗り換えの「期待外れ」
私のiPhone遍歴を振り返ってみましょう。
iPhone 6sからiPhone XRへの乗り換えは、本当に感動的でした。処理速度の向上、画面の美しさ、Face IDの快適さ。すべてが革新的に感じられました。
しかし、iPhone XRからiPhone 13への乗り換えは、正直なところそれほど劇的ではありませんでした。もちろん5Gに対応したのは大きな進歩でしたが、日常的な使用感はそれほど変わらなかったのです。
そして現在のiPhone 16 Proに至っては、いくつかの特定アプリを除けば、iPhone 13からの改善をほとんど感じません。SNSを見る、写真を撮る、メールを送る、音楽を聴く──こうした日常的な使い方では、最新のAppleプロセッサも5年前のモデルも、体感的な差はほぼゼロです。
「収穫逓減」の時代に突入したiPhone
経済学に「収穫逓減の法則」という概念があります。投資を増やしても、ある時点から得られる成果の増加率が低下していくという法則です。
iPhoneの性能向上は、まさにこの状態に入っています。Appleはチップの性能を毎年向上させていますが、私たちが日常的に使うアプリやサービスは、それほど高い処理能力を必要としていません。ウェブブラウジング、SNS、動画視聴、写真撮影──これらの用途では、すでに数年前のチップでも十分すぎる性能なのです。
むしろ、多くのユーザーにとっては5Gへのアップグレードの方が、新しいプロセッサよりも大きな恩恵をもたらすでしょう。通信速度の向上は、あらゆるオンライン体験を改善してくれます。
iPhone 18のA20 Proチップに賭ける
iPhone 18 ProにはA20 Proチップが搭載される見込みです。このチップがどこまで進化するかは未知数ですが、少なくとも「お金に見合う価値がある」と感じられるレベルの性能向上を期待しています。
具体的には、AI処理能力の大幅な向上です。現在のiPhoneでも一部のAI機能は使えますが、処理がクラウド経由だったり、動作が遅かったりします。次世代チップでオンデバイスAI処理がさらに高速化すれば、リアルタイム翻訳や高度な写真編集、音声認識など、新しい使い方が広がるはずです。
もう一つ期待しているのは、電力効率の改善です。性能が上がっても消費電力が増えては意味がありません。より賢い省電力設計によって、バッテリー駆動時間が延びることを願っています。
理由3:シリコンカーボン電池への期待
Si-C電池とは何か?初心者向け解説
シリコンカーボン(Si-C)電池について、まずは基礎から説明しましょう。
私たちが日常的に使っているスマートフォンやノートパソコンには、リチウムイオン電池が搭載されています。この電池は負極(マイナス側)に主にグラファイト(黒鉛)という炭素材料を使っています。
シリコンカーボン電池は、この負極にシリコン(ケイ素)を混ぜた進化版です。シリコンはグラファイトよりも多くのリチウムイオンを蓄えられるため、同じサイズでもエネルギー密度が約10〜20%向上します。
つまり、従来と同じ大きさの電池でより長時間使えるようになるか、あるいは電池を小さくしても同じ駆動時間を維持できるということです。
OnePlus 13の衝撃:すでに実用化されている技術
実は、Si-C電池はもはや「未来の技術」ではありません。OnePlus 13をはじめ、多くのAndroidスマートフォンがすでにこの技術を採用しています。
OnePlus 13は約221グラムと、iPhone 16 Pro Max(約227グラム)よりも軽量です。それでいてバッテリー駆動時間はiPhone 16 Pro Maxよりも長いのです。しかも価格はiPhoneより安い。これがSi-C電池の実力です。
iPhone 17 Airの「残念な」バッテリー性能
一時期、「iPhone 17 AirにSi-C電池が採用されるのでは」という憶測が流れました。薄型軽量化を追求したモデルにこそ、高エネルギー密度の電池が必要だからです。
しかし、蓋を開けてみると、iPhone 17 AirのバッテリーはSi-Cではありませんでした。結果は予想通り、通常の一日は持ちますが、iPhone 17と比べて駆動時間が著しく短くなっています。
私は週末によく登山に出かけるのですが、山の中ではバッテリー切れが命取りになります。地図アプリ、緊急連絡手段、写真撮影──すべてスマホに依存している以上、一日中安心して使えるバッテリー性能は絶対条件です。iPhone 17 Airは、その点で私の用途には合いません。
iPhone 18でSi-C電池が採用される可能性
少なくともiPhone 18 Airには、Si-C電池の採用を期待しています。Appleが本気で薄型モデルを実用的なデバイスにしようとするなら、保守的な姿勢を改める必要があるでしょう。
一方で、iPhone 18とiPhone 18 ProがSi-C電池に切り替わる可能性は低いと考えています。理由は2つあります。
第一に、iPhone 17と17 Proはすでにほとんどの競合機種と比べて十分に長持ちしています。現状で満足している顧客が多いなら、Appleはあえてコストを上げる必要を感じないでしょう。
第二に、Appleは部品コストの上昇を極端に嫌います。多くのAndroidスマートフォンが90Hzや120Hzのディスプレイに切り替わった後も、iPhoneの基本モデルは長らく60Hzパネルのままでした。これもコスト削減のためです。
ただし、競合他社がどんどんSi-C電池を採用していく中で、Appleがいつまでもリチウムイオンにこだわり続けるとは思えません。iPhone 18の世代か、遅くともその次の世代には、何らかの形でSi-C電池が登場するのではないでしょうか。
理由4:耐久性の大幅向上を信じて
Apple Watch Ultra 2から学んだ「耐久性の価値」
私は昨年、Apple Watch Series 6からApple Watch Ultra 2にアップグレードしました。価格差は大きかったのですが、今では最高の決断だったと思っています。
理由は耐久性です。
私の趣味はウェイトリフティングです。ジムでトレーニングをしていると、どうしてもApple Watchがマシンやバーベルにぶつかります。Series 6の頃は、ぶつけるたびに「画面が割れないか」「傷がつかないか」とヒヤヒヤしていました。
Ultra 2はチタニウムケースとサファイアクリスタルで保護されており、多少の衝撃では全く動じません。スキューバダイビングにも耐えられる防水性能があるので、汗やシャワーも問題なし。この安心感は、何ものにも代えがたいものです。
iPhoneにも、同じレベルの耐久性を求めています。
iPhone 18で確実に強化される「3つのポイント」
iPhone 18では、以下の3つの耐久性強化が見込まれています。
1. 前面・背面ともにCeramic Shield強化
最も明白なアップグレードは、Ceramic Shieldガラスの強化です。Ceramic Shieldは、Appleが独自開発したセラミック結晶を埋め込んだガラスで、一般的なスマホガラスより4倍の耐落下性能を誇ります。
iPhone 18では、このCeramic Shieldが背面まで拡張される見込みです。現行モデルは背面が通常のガラスなので、落下時に背面から割れるケースが多いのです。両面がCeramic Shieldになれば、格段に安心感が増します。
2. IP69防水規格への対応(可能性)
現在のiPhone 17シリーズはIP68規格で、水深6メートルに30分間浸水しても問題ありません。これでも十分すぎる性能ですが、iPhone 18ではさらに上のIP69規格に対応する可能性があります。
IP69とは何か?簡単に言えば、高圧・高温の水や蒸気にも耐えられる規格です。もともとは食品工場や化学プラントなど、過酷な環境で使う機器のための規格でした。
スマホでIP69が必要かと言われれば、正直オーバースペックです。ただ、アウトドア活動が好きな私としては、多少の安心材料になります。たとえば雨の中でのハイキングや、泥だらけになったスマホを水道で洗い流せるのは便利です。
3. アルミニウム・チタニウム筐体の強化
へこみや傷に対する保護について、Appleがどんな手を打ってくるかはまだ不明です。しかし、アルミニウムやチタニウムの合金組成を変えたり、表面処理を強化したりする可能性は十分あります。
電動一輪車乗りとしての「切実な願い」
実は私、もう一つ変わった趣味があります。電動一輪車(EUC)です。
電動一輪車というのは、セグウェイの車輪が一つだけになったような乗り物で、体重移動で加減速やターンを操作します。最高時速50キロ以上出るモデルもあり、爽快感は抜群です。
ただし、危険も伴います。バランスを崩して転倒すれば、ポケットに入れたiPhoneも路面に叩きつけられます。高速衝突でスマホが壊れても仕方ありませんが、せめて自転車程度の速度なら耐えてほしい──それが私の切実な願いです。
iPhone 18の耐久性強化は、私のようなアクティブなユーザーにとって、単なるスペック向上以上の意味を持ちます。安心して趣味を楽しむための「お守り」なのです。
まとめ:iPhone 18を待つ価値は十分にある
4つの戦略的理由のおさらい
改めて、私がiPhone 18を待つ理由をまとめましょう。
要点リスト
- カメラ革命:可変絞り、3層積層型センサー、望遠性能の全面強化により、スマホカメラがデジタル一眼に近づく
- 意味あるパフォーマンス向上:収穫逓減に陥ったiPhoneが、A20 ProチップとAI機能で再び大きな飛躍を遂げる可能性
- Si-C電池の採用:薄型モデルでも十分な駆動時間を実現し、バッテリー不安から解放される
- 耐久性の大幅向上:両面Ceramic Shield、IP69防水、筐体強化により、アクティブなライフスタイルにも対応
「今すぐ買い替え」が正解な人もいる
もちろん、すべての人がiPhone 18を待つべきだとは思いません。
もしあなたがiPhone 12以前のモデルを使っているなら、iPhone 17シリーズは十分に魅力的な選択肢です。特に再生品や年末年始のセールで割引が見つかるなら、今が購入の理想的なタイミングかもしれません。
また、カメラ性能やバッテリー駆動時間よりもサイズと重量を重視する人なら、iPhone 17 Airで満足できる可能性があります。ただし、日常的にスマホをヘビーに使う人には、やはり通常モデルかProモデルをおすすめします。
私の最終結論:予算がなくても待つ
正直に言えば、私がiPhone 17をスキップする理由の一つは予算です。毎年最新モデルに買い替えられるほど、経済的余裕はありません。
でも、たとえお金に余裕があったとしても、結局は同じ選択をしたでしょう。iPhone 16 ProからiPhone 17への乗り換えは、投資対効果が低すぎます。同じお金を使うなら、より大きな進化が期待できるiPhone 18を待つ方が賢明です。
テクノロジーの世界では、「待つ」ことも立派な戦略です。常に最新モデルを追いかける必要はありません。自分にとって本当に価値のある進化が訪れるタイミングを見極め、そこで投資する。それが、賢いガジェット選びの秘訣だと私は考えています。
iPhone 18の登場まで、あと1年ほど。その間、今のiPhone 16 Proを大切に使いながら、次世代の革新を楽しみに待つことにします。
あなたはどうしますか?iPhone 17に飛びつきますか、それとも私と一緒にiPhone 18を待ちますか