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eSIMとは?iPhone・Apple Watchでのメリットと導入方法を徹底解説

今日はスマートフォンやウェアラブルデバイスの世界で急速に広まりつつある「eSIM」について詳しくお話ししたいと思います。特にiPhoneやApple Watchユーザーにとって、この技術がどのようなメリットをもたらすのか、そして実際の導入方法までを分かりやすく解説していきます。

この記事の目次(クリックでジャンプ)
  1. eSIMの基本:物理SIMとの違いとは?
  2. eSIMのメリット:なぜ注目されているのか?
  3. iPhoneでのeSIM対応状況:何が変わったのか?
  4. Apple WatchのeSIM活用術
  5. 日本でのeSIM対応キャリア最新情報
  6. eSIMの導入方法:iPhone編
  7. eSIMの導入方法:Apple Watch編
  8. 海外旅行者におすすめのeSIMサービス
  9. eSIMに関するよくある質問
  10. おすすめのeSIM対応デバイス
  11. eSIM導入時の注意点
  12. まとめ:eSIMは未来の標準になる

eSIMの基本:物理SIMとの違いとは?

まず「eSIM」とは何か?という基本から説明しましょう。「eSIM」は「embedded SIM(埋め込み型SIM)」の略で、従来の物理的なSIMカードが不要になる技術です。

私も最初にeSIMについて知ったとき「え?カードを入れないでどうやって回線につながるの?」と疑問に思ったのを覚えています。実はeSIMは、デバイス内部に組み込まれた小さなチップで、Apple PayやGoogle Payなどの非接触型決済に使用されるNFCチップと同様の仕組みで機能します。

従来の物理SIMカードは、プラスチック製のカードにICチップが埋め込まれたもので、スマートフォンのSIMスロットに挿入して使用します。一方、eSIMはデバイスに最初から組み込まれているため、物理的に何かを挿入する必要がなく、設定はすべてデジタルで完結します。

これにより、SIMカードを紛失したり、海外旅行時にSIMカードを交換する手間がなくなり、より柔軟な回線契約が可能になるのです。

eSIMのメリット:なぜ注目されているのか?

1. 複数回線の同時利用がシンプルに

eSIMの最大の魅力の一つは、一台のデバイスで複数の回線を簡単に管理できることです。例えば、私の場合、プライベート用とビジネス用で別々の電話番号を持っていますが、以前は2台のスマートフォンを持ち歩く必要がありました。eSIMを利用するようになってからは、1台のiPhoneで両方の番号を使い分けることができ、かなり便利になりました。

また、日本国内のキャリアと海外用のeSIMを併用することで、海外旅行中でも日本の電話番号でのSMS認証を受け取りながら、現地の安価なデータ通信も利用できます。これは頻繁に海外出張がある方には特に便利な機能です。

2. デバイスの小型化と耐久性向上

eSIMの採用により、デバイスメーカーはSIMスロットのためのスペースを省くことができます。これは特にApple Watchのような小型デバイスにとって大きなメリットです。私のApple Watch Series 6は、eSIM対応のセルラーモデルですが、物理SIMが必要だったら今のようなスリムなデザインは実現できなかったでしょう。

また、SIMスロットがなくなることで防水性能が向上し、ホコリの侵入も防げるようになります。実際、一度海で水に濡れたときも、SIMスロットがないためか全く問題なく動作し続けました。

3. キャリア変更がスムーズに

eSIMでは、キャリアの変更やプランの追加が非常にスムーズです。例えば、私はahamoからmineoに乗り換えた際、店舗に行くことなく、スマホ上の操作だけで15分程度で切り替えが完了しました。物理SIMの場合は、新しいSIMカードが届くのを待ち、挿し替える必要がありますが、eSIMなら即座に変更が可能です。

特に最近は、オンラインで完結するプランが増えており、eSIMとの相性は抜群です。

iPhoneでのeSIM対応状況:何が変わったのか?

iPhone XSから始まったeSIMサポート

日本でiPhoneのeSIMサポートが始まったのはiPhone XS/XS Max/XRからです。これらのモデルでは、物理SIMとeSIMのデュアルSIM機能が利用可能になりました。その後、iPhone 11シリーズ、iPhone 12シリーズ、iPhone 13シリーズと続き、eSIMのサポートが拡充されてきました。

iPhone 14からの大きな変化

そして大きな転換点となったのがiPhone 14シリーズです。米国では、iPhone 14からSIMスロットが完全に廃止され、eSIMのみの対応となりました。これは多くのユーザーに衝撃を与えましたが、Apple社はこれを「将来へのステップ」と位置づけています。

日本版のiPhone 14では現在も物理SIMスロットが残されていますが、今後のモデルではeSIMのみになる可能性も十分考えられます。そのため、今からeSIMの使い方に慣れておくことをおすすめします。

私自身、iPhone 13 Proを使用していますが、メインキャリアはeSIM、サブはポケットWiFiの代わりに格安SIMを物理SIMで挿して使用しています。これにより、バッテリー持ちも良くなり、便利さを実感しています。

Apple WatchのeSIM活用術

Apple Watchのセルラーモデルでは、iPhoneと同じ電話番号を共有する「ナンバーシェア」機能を利用できます。これはeSIMによって実現されている技術です。

例えば、朝のジョギング中にiPhoneを持たずにApple Watchだけで出かけても、電話やラインの着信を受けることができます。私も週末のランニング時にはiPhoneを置いていき、Apple Watchだけで音楽を聴きながら、必要な連絡も取れる環境を実現しています。

また、家族のために購入したApple Watch SEでは、「ファミリー共有設定」を使って、iPhoneを持っていない小学生の子どもでも利用できるようにしました。これにより、子どもの居場所確認や緊急時の連絡手段として大変重宝しています。

日本でのeSIM対応キャリア最新情報

2023年現在、日本の主要キャリアのほとんどがeSIMに対応しています。

大手キャリア

  • ドコモ/ahamo:○(オンライン完結可能)
  • au/povo:○(オンライン完結可能)
  • ソフトバンク/LINEMO:○(オンライン完結可能)
  • 楽天モバイル:○(オンライン完結可能)

主要MVNO(格安SIM)

  • IIJmio:○
  • mineo:○
  • OCNモバイルONE:○
  • BIGLOBEモバイル:○
  • UQモバイル:○
  • Y!mobile:○

特に最近では、多くのMVNOがオンライン完結でのeSIM発行に対応するようになり、申し込みから利用開始までの時間が大幅に短縮されています。私の経験では、申し込みから約10分でeSIMの設定が完了し、すぐに使い始められたケースもありました。

eSIMの導入方法:iPhone編

それでは、実際にiPhoneでeSIMを設定する方法を説明します。

1. QRコードでの設定(最も一般的)

多くのキャリアでは、QRコードを使ったeSIMの設定方法を提供しています。

設定手順:

  1. 「設定」アプリを開く
  2. 「モバイル通信」をタップ
  3. 「モバイル通信プランを追加」をタップ
  4. キャリアから提供されたQRコードをスキャン
  5. 画面の指示に従って設定を完了

私がahamoに申し込んだ際は、マイページでQRコードが表示され、これをスキャンするだけで設定が完了しました。とても簡単でした。

2. キャリアアプリを使った設定

一部のキャリアでは、専用アプリを通じてeSIMをダウンロードする方法も提供しています。

設定手順:

  1. App Storeからキャリアのアプリをダウンロード
  2. アプリにログイン
  3. eSIM発行/設定の項目を選択
  4. 画面の指示に従ってeSIMをダウンロード

例えば、楽天モバイルでは専用アプリから数タップで簡単にeSIMの発行が可能です。私の親戚が高齢にも関わらず、スムーズに設定できたのには驚きました。

3. 手動での設定

一部のキャリアでは、SMアクティベーションコードを手動で入力する方法も提供しています。

設定手順:

  1. 「設定」アプリを開く
  2. 「モバイル通信」をタップ
  3. 「モバイル通信プランを追加」をタップ
  4. 「SMアクティベーションコードを使用」を選択
  5. キャリアから提供されたコードを入力

4. キャリアショップでの設定

不安な方は、キャリアショップで直接設定してもらうこともできます。特に初めてeSIMを利用する場合は、プロのサポートを受けるのも安心です。

eSIMの導入方法:Apple Watch編

Apple Watchでセルラーモデルを使用する場合のeSIM設定方法も紹介します。

初期設定時の方法

  1. iPhoneとApple Watchをペアリング
  2. セルラー通信の設定画面が表示されたら「設定」をタップ
  3. キャリアを選択し、画面の指示に従う
  4. 必要に応じてキャリアのアカウント情報でログイン

既存のApple Watchにセルラー通信を追加する方法

  1. iPhoneの「Apple Watch」アプリを開く
  2. 「マイウォッチ」タブをタップ
  3. 「モバイル通信」をタップ
  4. 「モバイル通信をセットアップ」をタップ
  5. 画面の指示に従って設定

私のApple Watch Series 6を設定した際は、ドコモのナンバーシェアに申し込んだ後、この手順で約5分程度で設定が完了しました。月額料金は330円と手頃で、iPhoneを持たずに出かけられる自由さを考えると、非常にコストパフォーマンスが高いと感じています。

海外旅行者におすすめのeSIMサービス

海外旅行の際に特に便利なのがeSIMです。以前は現地に着いてからSIMカードを購入したり、日本出発前に海外用のSIMカードを入手する必要がありましたが、eSIMなら出発前にダウンロードしておくだけでOKです。

おすすめの海外用eSIMサービス

  1. Airalo
    • 世界190以上の国と地域に対応
    • データ通信のみ
    • 期間は5日間〜30日間から選択可能
    • 1GB〜使用量に応じてプランを選べる
  2. Ubigi
    • 世界中の多くの国に対応
    • データ通信のみ
    • 柔軟な期間設定が可能
    • 日本のユーザー向けサポートが充実
  3. KINHAN eSIM
    • アジア太平洋地域に強い
    • データ通信専用
    • 大容量プランが比較的リーズナブル
    • 日本語対応

私は昨年のヨーロッパ旅行でAiraloを使いましたが、到着してすぐにネットに接続でき、Googleマップでの移動もスムーズでした。事前に設定しておくことで、空港での手続きの手間が省けるのは大きなメリットです。

また、その時は日本のキャリア回線はeSIMで、海外用のAiraloは物理SIMとして利用しましたが、最新のiPhoneなら両方ともeSIMで利用できるので、さらに便利になりそうです。

eSIMに関するよくある質問

Q1: eSIMに変更すると電話番号は変わりますか?

A1: いいえ、変わりません。現在お使いの電話番号をそのままeSIMに移行できます。MNP(モバイルナンバーポータビリティ)でキャリアを変更する場合も、番号はそのまま引き継げます。実際に私が楽天モバイルからahamoに変更した際も、同じ番号をeSIMで継続して使用できました。

Q2: eSIMは故障したら番号が消えてしまうのでは?

A2: 心配ありません。eSIMの情報はキャリア側のサーバーにも保存されているため、デバイスが故障した場合でも、新しいデバイスで再設定することができます。私の友人がiPhoneの画面を割ってしまい修理に出した際も、代替機に簡単にeSIMを移行できていました。

Q3: eSIMとデュアルSIMは何が違うのですか?

A3: デュアルSIMとは2つの電話番号を1台のデバイスで使える機能のことで、物理SIM+物理SIM、物理SIM+eSIM、eSIM+eSIMなど様々な組み合わせがあります。最新のiPhone 14シリーズ(日本版)では、物理SIM1枚とeSIM複数の組み合わせや、eSIMのみで最大8つの回線(同時に使用可能なのは2つまで)を登録できます。

Q4: eSIMは常時インターネット接続が必要ですか?

A4: いいえ、一度設定が完了すれば、通常の物理SIMと同じように、オフラインでも電話やSMSが利用できます。ただし、初期設定時には安定したインターネット接続(WiFiなど)が必要です。

Q5: eSIMに対応していない古いiPhoneでも使えますか?

A5: 残念ながら、ハードウェアレベルでの対応が必要なため、iPhone XS以前のモデルではeSIMは利用できません。現在のところ、eSIMに対応しているiPhoneは以下の通りです:

  • iPhone XS/XS Max/XR
  • iPhone 11シリーズ
  • iPhone 12シリーズ
  • iPhone 13シリーズ
  • iPhone 14シリーズ
  • iPhone SE(第2世代以降)

おすすめのeSIM対応デバイス

iPhoneシリーズ

iPhone 14 Pro Max 最新のiPhone 14 Pro Maxは、日本市場でも最大8つのeSIMプロファイルを保存でき、同時に2回線を使用できます。A16 Bionicチップとの組み合わせで、eSIM切り替えもスムーズです。

iPhone 13 コストパフォーマンスに優れており、eSIMサポートも完璧です。私が現在使用しているモデルで、eSIMと物理SIMの併用も問題なく、電池持ちも良好です。 

iPhone SE(第3世代) 比較的手頃な価格ながらeSIMに対応した、コンパクトなiPhoneが欲しい方におすすめです。私の母親がこのモデルを使っていますが、eSIMの設定も問題なくできました。

Apple Watch

Apple Watch Series 8 最新のApple Watchは、健康機能の充実に加えて、よりスムーズなeSIM接続を実現しています。温度センサーや衝突検出などの新機能も魅力です。 

Apple Watch SE(第2世代) コストパフォーマンスに優れたモデルながら、セルラーモデルではeSIMを利用可能です。基本機能はほぼ網羅しており、ファミリー共有設定にも対応しています。 

Android端末

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Google Pixel 7 Pro GoogleのフラッグシップスマートフォンもeSIMに対応しています。特にGoogleのAI機能と組み合わせることで、海外でのリアルタイム翻訳など、旅行者に便利な機能が満載です。 

Samsung Galaxy S23 Ultra 高性能カメラと強力なプロセッサーを搭載した最新フラッグシップもeSIMに対応。ビジネスユーザーにも人気の1台です。 

eSIM導入時の注意点

eSIMは便利な技術ですが、導入時にはいくつか注意点もあります。

1. eSIM対応プランを確認

全てのプランがeSIMに対応しているわけではありません。契約前に必ずキャリアのウェブサイトで確認しましょう。特に一部の格安SIMでは、まだeSIM対応が限定的な場合があります。

2. デバイスのロックを確認

キャリアによっては、SIMロックがかかっている場合があります。他社のeSIMを利用する前に、SIMロック解除が必要かどうか確認しましょう。2021年10月以降に購入した機種であれば、基本的にSIMロックはかかっていないはずです。

3. バックアップの取り方を理解する

デバイスを買い替える際の手順を理解しておくことが重要です。iPhoneの場合、「クイックスタート」機能を使うと、eSIMの情報も含めてデータを移行できることが多いですが、キャリアによっては再設定が必要な場合もあります。

4. 電源オフ時の挙動を理解する

端末の電源を完全にオフにしてから再起動すると、eSIMの再認証が必要になる場合があります。これは機種やキャリアによって異なりますが、覚えておくと便利です。

まとめ:eSIMは未来の標準になる

eSIMは、物理的なSIMカードが不要になり、スマートフォンやウェアラブルデバイスのさらなる小型化と防水性向上に貢献する革新的な技術です。また、複数のプランを1台のデバイスに保存できるため、ビジネスとプライベートの使い分けや、海外旅行時のデータ通信の便宜性が大きく向上します。

特にiPhoneユーザーにとっては、米国モデルが既にeSIMオンリーになったことからも分かるように、今後は日本でも標準になっていく可能性が高いです。今のうちから使い方を覚えておくことで、将来のスムーズな移行が可能になるでしょう。

私自身、最初は「物理SIMカードがないと不安」と感じていましたが、実際に使ってみると設定は簡単で、日常使用でも全く問題ありません。むしろ、SIMカードの紛失や破損の心配がなくなり、海外旅行前の準備も簡略化されるなど、多くのメリットを実感しています。

皆さんもぜひ、この新しい技術を積極的に活用して、よりスマートなデジタルライフを実現してください!もし疑問点があれば、コメント欄でお気軽にお尋ねください。

最後に、eSIMへの移行は、SIMカードを発行・配送する環境コストの削減にも貢献します。小さな変化かもしれませんが、デジタル技術を通じた環境への配慮も、私たちが意識したい点ではないでしょうか。

それでは、快適なeSIMライフをお楽しみください!