こんにちは、ガジェオキです。最近のスマートフォン市場で再び注目を集めている「薄型化」という流れ。特に今回は、AppleのiPhone 17 AirとSamsungのGalaxy S25 Edgeという、両社が放つ超薄型モデルについて深掘りしていきます。実はこの2台、「薄さ」という魅力の裏で大きな妥協をしていることが明らかになってきました。それは多くのユーザーにとって許容できるものなのでしょうか?私自身の使用経験も踏まえながら考察していきます。
最新情報:Galaxy S25 Edge本日正式発表
まず大きなニュースから。本日2025年5月13日、Samsungが「Galaxy S25 Edge」を正式発表しました。厚さわずか5.8mm、重量163gという超薄型軽量ボディが特徴で、Galaxyスマートフォンの中で最薄を実現しています。
注目すべきは、この薄型化の代償として生じたバッテリー容量の制限です。Galaxy S25 Edgeのバッテリー容量は3900mAhとなり、通常のS25の4000mAhより若干小さく、S25+の4900mAhと比較すると約20%も少ない容量となっています。
一方、Appleは今秋に発表予定のiPhone 17 Airについても、厚さ約5.5mmという歴代iPhoneで最も薄いモデルになるという噂が濃厚です。こちらもバッテリー持ちに関する懸念が報じられており、The Informationによれば「1日充電せずに使えるユーザーの割合が60~70%」と、他のiPhoneモデル(80~90%)と比較して明らかに低い数値となることが社内テストで判明しているとのことです。
薄型スマホは本当に必要か?現実とのギャップ

私はテクノロジーブロガーとして様々なスマートフォンを使用してきましたが、「もっと薄いスマホが欲しい」という声を聞いたことはほとんどありません。現在のスマートフォンは既に十分薄く、むしろユーザーが求めているのは「バッテリー持ちの良さ」「カメラ性能の向上」「堅牢性」などの実用的な機能面での進化です。
特に日本市場では、小型・軽量なスマートフォンへの需要はありますが、それは「片手で操作しやすい」という点が重視されており、単に「薄い」だけでは解決しない問題です。また、現在のスマートフォンは非常にスリッピーな素材を使用していることが多く、薄型化によってさらに持ちにくさが増す可能性もあります。
私が日常的に使用しているiPhone 16 Proですら、バッテリー持ちには不満があります。朝のルーティンでロイターのビデオブリーフィングを見ているだけで、バッテリーが90%以下に減ってしまうことがあります。運動する日は、1日の終わりにはバッテリーが30%を下回ることもあり、これは15~16時間、ほとんどビデオを見ていない使用後です。YouTube視聴を1~2時間行えば、必ず途中で低電力モードに切り替える必要があるでしょう。
実際の使用体験:バッテリー持ちの重要性
実際に私が出張などで遠出する際は、バッテリー持ちの問題は深刻です。例えば先月、東京から札幌への出張中、飛行機での移動中に記事の執筆と編集を行っていたところ、到着前にはすでにバッテリーが30%を切っていました。モバイルバッテリーを持参していなければ、その後の取材活動に大きな支障をきたすところでした。
これはiPhone 16 Proという現行機でさえ感じる不満です。公式スペック上は「最大22時間のビデオ再生」が可能とされていますが、実際の使用では全く異なる印象です。もし薄さを優先してバッテリー容量をさらに削減したiPhone 17 Airを使用したら、この問題はさらに悪化することでしょう。
Galaxy S25 Edgeも同様の懸念があります。確かに5.8mmという薄さは驚異的ですが、3900mAhというバッテリー容量は2025年の高性能スマートフォンとしては心許ないものです。特にSnapdragon 8 Eliteのような高性能プロセッサーを搭載していることを考えると、バッテリー持ちへの不安は拭えません。
シリコンカーボンバッテリー:新技術の可能性と限界
両モデルが採用する可能性が高い「シリコンカーボンバッテリー」について触れておきましょう。これは従来のリチウムイオンバッテリーのバリエーションで、エネルギー密度が高いという特徴があります。
シリコンカーボンバッテリーは、リチウムイオン電池の負極材料を従来のグラファイト(黒鉛)からシリコンに置き換える技術です。シリコンはより多くのリチウムイオンを蓄えることができるため、理論上は同じサイズでより多くの電力を蓄えられます。しかし、現時点ではまだ製造コストが高く、量産が難しいという課題があります。
この技術が普及し、コストが下がれば、将来的には薄型でもバッテリー持ちに優れたスマートフォンが実現する可能性はあります。しかし、現在のiPhone 17 AirやGalaxy S25 Edgeでは、この技術をもってしても薄型化によるバッテリー容量の制約を完全に克服できていないようです。
薄型化の歴史:過去から学ぶべきこと
スマートフォンの薄型化は、実は2007年の初代iPhoneの登場から続く流れです。初代iPhoneは11.6mmの厚みがありましたが、その後モデルを重ねるごとに薄くなっていきました。特にiPhone 6は6.9mmまで薄くなり、当時は「薄さ」が大きなセールスポイントでした。
しかし、極端な薄型化には問題も生じました。例えばiPhone 6の「Bendgate(曲がるゲート)」問題は、薄型化による強度不足が原因でした。また、バッテリー容量の確保も常に課題となってきました。
時代が進むにつれて、スマートフォンに求められる機能はより多様化・高度化し、薄さよりも機能性や実用性を重視する傾向が強まっています。にもかかわらず、AppleとSamsungが再び「薄さ」に注力する理由は何なのでしょうか?
マーケティング戦略としての「薄さ」
私の見解では、この薄型化戦略はある種のマーケティング戦略です。「世界最薄」といった肩書きは、技術的優位性をアピールしやすく、PR効果が高いのです。また、「薄い=先進的」というイメージを消費者に植え付けることで、ブランド価値を高める効果もあります。
Samsungが5月というタイミングでGalaxy S25 Edgeを発表したのは、秋のiPhone 17 Air発表に先駆けて「世界最薄スマートフォン」の称号を獲得するための戦略的な動きと考えられます。
こうした競争はテクノロジーの進化という点では良い面もありますが、ユーザーのニーズに本当に応えているのかという疑問は残ります。
現実的な妥協点:バッテリーケースは解決策か?
The Informationの報道によれば、Appleはバッテリー持ちの問題を解決するためにiPhone 17 Air用のバッテリーケースも計画しているとのこと。2021年にMagSafeバッテリーパックの販売を終了して以来、久しぶりのバッテリーケースとなります。
このアプローチは、「必要に応じて拡張できる」という柔軟性を提供する一方で、本末転倒とも言えます。せっかくの薄型デザインも、バッテリーケースを付けることで台無しになってしまいます。しかも、ケース装着時の厚みがiPhone 17 Proを超えるようであれば、何のために薄型モデルを選んだのかという疑問が生じます。
バッテリーライフと新技術の将来性
シリコンカーボンバッテリー技術が持つ可能性を過小評価すべきではありません。現在はコスト面での課題がありますが、iPhone 17 AirやGalaxy S25 Edgeのような先駆的デバイスがこの技術を採用することで、将来的にはコストが下がり、より広く普及する可能性があります。
iPhoneの歴史を振り返ると、iPhone Xで導入されたOLEDディスプレイやFace IDも、当初は高価でハイエンドモデルにのみ搭載されていましたが、現在では599ドルのiPhone 16eにも採用されています。同様に、シリコンカーボンバッテリーも時間の経過とともに手頃な価格で提供できるようになるかもしれません。
しかし、それまでの間、早期採用者は薄さとバッテリー性能のトレードオフを受け入れる必要があります。
実用性を重視したユーザー視点
私自身の経験からすると、スマートフォン選びで最も重視するのは日常的な使い勝手です。薄さや軽さも確かに魅力的ですが、それによってバッテリー持ちが犠牲になるのであれば、私は躊躇なく標準モデルやProモデルを選びます。
特に出張が多い私のようなユーザーにとって、バッテリー持ちは非常に重要です。ジムに行って戻ってくる間に充電が必要になるスマホ、または飛行機の乗り継ぎ中にバッテリーパックを探さなければならないスマホは、どれだけ見た目がスタイリッシュでも実用性に欠けると言わざるを得ません。
もちろん、デスクワークが中心で、常に充電環境がある方や、スタイリッシュさを最重視する方にとっては、iPhone 17 AirやGalaxy S25 Edgeは魅力的な選択肢かもしれません。スマートフォン選びは最終的に個人の優先順位によるものです。
まとめ:薄さと実用性のバランス
iPhone 17 AirとGalaxy S25 Edgeは間違いなく技術的に進歩したデバイスであり、特にデザイン面では称賛に値します。しかし、薄さを追求するあまりバッテリー性能を犠牲にするというアプローチには疑問が残ります。
現在のスマートフォン市場で本当に求められているのは、単なる薄さではなく、長時間のバッテリー持ちや高性能カメラ、堅牢性といった実用的な機能の進化ではないでしょうか。
シリコンカーボンバッテリーのような新技術は有望ですが、現時点ではまだその恩恵を十分に受けられていないようです。この技術がさらに成熟し、コストが下がれば、将来的には薄型でもバッテリー持ちに優れたスマートフォンが実現するかもしれません。
私個人としては、薄さよりもバッテリー持ちを優先し、iPhone 17 AirやGalaxy S25 Edgeへのアップグレードは見送る予定です。次世代の進化を楽しみに待ちつつ、現行のiPhone 16 Proとモバイルバッテリーという組み合わせで、しばらくは快適に過ごしていきたいと思います。
皆さんは薄型スマートフォンに何を求めますか?バッテリー持ちを犠牲にしてでも薄さを選びますか?それとも、少し厚くてもバッテリー持ちの良いモデルを選びますか?ぜひコメント欄でご意見をお聞かせください。