壊れたノートパソコンと最悪のタイミング

突然ですが、あなたは今、新しいPCの購入を検討していませんか?

実は私も数ヶ月前、妻と一緒に必死で修理に出したノートパソコンが完全に壊れてしまい、仕事で毎日使う必要があったため、やむを得ず新しいノートパソコンを購入しました。幸い、購入した製品には満足していますが、もし可能であれば、もう少し待ちたかったというのが正直なところです。

なぜなら、2026年は新しいPCを買うには最悪の年になる可能性が高いからです。

テクノロジーニュースを追っている方なら、すでに耳にしているかもしれません。RAM価格の高騰、GPU不足、そして経済的な不確実性。これらすべてが重なり、PC市場は今、混乱の真っ只中にあります。

「でも、今使っているPCが古くて動作が遅いんだけど…」 「新しいゲームをプレイしたいし、待てないよ」

そう思う気持ちはよくわかります。しかし、この記事を最後まで読んでいただければ、なぜ今はアップグレードを控え、2027年まで待つ価値があるのか、その理由が明確になるはずです。

可能であれば、欲しいスペックのPCのためにお金を貯めて、ベストなタイミングで購入するのが賢明です。それでは、2026年にPCを買うべきでない4つの具体的な理由を見ていきましょう。

RAM危機でメモリ価格が急騰中

AIブームがもたらした深刻な影響

2025年11月以降、DDR5 RAMの価格が急激に上昇しています。その理由は、AIデータセンター向けに大量のメモリが買い占められているためです。

考えてみてください。一般的なPCは16GBから32GBのRAMを搭載していますが、クラウド用のAIコンポーネント1つで数百GBものメモリを消費することがあります。この需要の差は圧倒的です。

実際、大手RAMメーカーの一つであるMicron(マイクロン)は、消費者向けブランド「Crucial(クルーシャル)」の部門を縮小し、ビジネス顧客を優先する決定を下しました。長年自作PCを組んできた人にとっては、まるで馴染みのある飲料ブランドが突然店頭から消えたような衝撃です。

具体的にどれくらい高いのか?

現在、DDR5-6000の64GBキットの価格は、PlayStation 5 Proが買えるほどの金額になっています。約10万円前後という価格は、メモリだけでこの金額というのは異常です。

以下が現在のRAM市場の状況です:

  • DDR5メモリ: 価格が従来の1.5倍〜2倍に高騰
  • DDR4メモリ: 生産が一部復活し、相対的に安価な選択肢に
  • 入手困難性: 人気モデルは在庫切れが続く状況

【初心者向け解説】RAMとは? RAM(ラム)は「Random Access Memory」の略で、PCが作業を行う際に一時的にデータを保存する場所です。作業机のようなもので、広ければ広いほど多くの作業を同時にこなせます。DDR5は最新規格、DDR4は一世代前の規格です。

待つことのメリット

パフォーマンスにそれほどこだわりがなければ、DDR4搭載PCを選ぶのも現実的な選択肢です。ただし、状況が落ち着くまで待てるなら、それが最善の策でしょう。

想定されるシナリオとしては、2027年にはサプライチェーンが安定化し、RAMメーカーもコンシューマー市場への供給を増やす可能性があります。急いで購入して後悔するより、数ヶ月待って適正価格で購入する方が賢明です。

また、この影響はPC以外にも波及しています。スマートフォン、タブレット、その他多くの電子機器がフラッシュメモリを使用しているため、2026年は幅広い製品の価格上昇が予想されます。

ハイエンドGPUが希少で高価になる

NVIDIAとAIビジネスの関係

現在、NVIDIA(エヌビディア)は世界で最も時価総額の高い企業の一つです。AIブームの中心的存在であり、Amazon、Microsoft、GoogleのAlphabetといった巨大企業が同社のプロセッサを使用してAIデータセンターを構築しています。

しかし、PC購入者にとって問題なのは、NVIDIAがAIビジネスだけでなく、GPU(グラフィックスプロセッサ)市場のリーダーでもあることです。最高のグラフィック性能を求めるゲーマーやクリエイターは、同社のハイエンドGeForce RTXシリーズを選ぶしかありません。

2026年のGPU供給予測

報道によると、NVIDIAは2026年前半にRTX 50シリーズGPUの生産を30〜40%削減する可能性があります。これは以下を意味します:

  • GPU価格のさらなる上昇
  • 在庫の入手困難化
  • 転売市場の過熱

【初心者向け解説】GPUとは? GPU(ジーピーユー)は「Graphics Processing Unit」の略で、画像や動画の処理を専門に行うチップです。ゲームや動画編集、3D制作などで重要な役割を果たします。高性能なGPUほど、滑らかで美しい映像を楽しめます。

AMD製品も値上がり予定

「じゃあ、AMDのRadeonチップを選べばいいのでは?」と思うかもしれません。確かに、AMD製品は比較的手頃な価格帯が魅力です。

しかし、PC Magの報道によると、AMDでさえ2026年にはGPU価格を10%以上値上げする予定です。つまり、どのブランドを選んでも、最高のビジュアルとフレームレートを追求することは、従来以上に財布に負担をかけることになります。

参考: PC Mag – GPU価格動向レポート

2027年まで待つ価値

さらに注目すべき情報があります。NVIDIAは早ければ2027年第1四半期にもRTX 60シリーズGPUを発表する可能性があるという噂が出ています。

もちろん、50シリーズ製品が突然時代遅れになるわけではありません。しかし、将来を見据えた製品を求めるなら、2026年に焦って購入してしまうと、わずか数ヶ月後に後悔する可能性があります。

想定シナリオ: 2026年春に約30万円でRTX 5080搭載PCを購入したものの、同年秋にRTX 6070が発表され、より高性能で価格も安定していたら…。このような状況は十分にあり得ます。

米国経済の不確実性が価格に影響

流動的な経済状況

私は経済の専門家ではありませんが、テクノロジー業界に関心を持つ者として、現在の米国経済が転換点を迎えていることは明らかです。

2025年に課された関税政策は国際貿易を大きく変化させ、米国企業にとって中国からの多くの製品の輸入コストが上昇しました。以下が主な影響です:

  • 関税による輸入コスト増: 中国製部品の価格上昇
  • インフレ継続: 米国および世界的な物価上昇
  • 法的不確実性: 最高裁判所の判断待ちによる企業の様子見姿勢

【初心者向け解説】関税とは? 関税(かんぜい)は、海外から商品を輸入する際に課される税金です。これが高くなると、輸入品の価格が上がり、最終的には消費者が支払う価格も高くなります。PC部品の多くは海外で製造されているため、関税の影響を受けやすいのです。

企業はコストを消費者に転嫁する

PCメーカーや部品メーカーがこの状況に対処しなければならないということは、最終的に消費者も対処しなければならないということです。

企業は価格上昇を緩和しようと努力しますが、利益への打撃はある程度までしか許容できません。そして、その損失を製品価格に転嫁します。中には「不確実性」を理由に人員削減を行い、後から新たな人材を採用する企業もあります。

2027年への期待

正直に言えば、2027年が劇的に良くなる保証はありません。しかし、少なくとも以下の点で改善が期待できます:

  • 2026年の混乱がある程度収束
  • サプライチェーンの安定化
  • 市場の予測可能性向上

想定される状況としては、企業が新しい関税体制に適応し、より効率的な調達方法を見つけることで、価格が安定化する可能性があります。

もうフルサイズのPCは必要ないかもしれない

本当にハイスペックPCが必要ですか?

ここで少し視点を変えて考えてみましょう。あなたは本当に今、高性能なデスクトップPCやゲーミングノートパソコンが必要ですか?

私自身、デスクトップPCとノートパソコンを愛用しており、特定のタスクには最良、あるいは唯一の選択肢だと考えています。高性能モデルはエンターテインメントにも最適で、初期費用は高額でも、長期的には十分に価値があります。

しかし、すべての人にとってこれが当てはまるわけではありません。

代替選択肢を検討する

2026年の価格高騰を考えると、以下のような代替案が現実的になってきます:

ゲーム用途の場合:

  • PlayStation 5: 高品質なゲーム体験を約6万円から
  • Nintendo Switch 2: 携帯性と家庭用の両立(2025年発表)
  • 携帯型ゲーミングPC: Steam DeckやROG Allyなど、約6万円〜10万円

一般作業用途の場合:

  • ミドルレンジノートパソコン: 約7万円〜12万円で十分な性能
  • タブレット + キーボード: 約5万円〜8万円で軽作業に対応
  • クラウドゲーミング: GeForce NOWなどのサービス利用

想定される使用例: 主にウェブブラウジング、動画視聴、軽いゲームプレイであれば、15万円のミドルスペックノートパソコンで十分です。無理に30万円のハイエンドデスクトップを購入する必要はありません。

携帯型PC市場の急成長

特に注目すべきは、急成長している携帯型PC市場です。Steam Deckの成功以降、ASUS ROG Ally、Lenovo Legion Go、MSI Clawなど、多くのメーカーが参入しています。

これらのデバイスは以下の利点があります:

  • デスクトップ並みのゲーム体験
  • 携帯可能なサイズと重量
  • 価格は約6万円〜12万円と比較的手頃
  • 外部モニターに接続すれば据え置き機としても使用可能

参考: Steam公式サイト

まとめ:賢い選択をするために

2026年にPCを買うべきでない4つの理由(再確認)

  1. RAM価格の高騰: DDR5メモリが異常な高値、2027年に安定化の可能性
  2. GPU不足と値上げ: NVIDIA、AMDともに供給減少と価格上昇
  3. 経済的不確実性: 関税やインフレによる予測困難な価格変動
  4. 代替選択肢の充実: ゲーム機や携帯型PCが現実的な選択肢に

それでも今すぐ必要な場合は?

私のように、壊れてしまって選択肢がない場合もあるでしょう。そんな時は以下を意識してください:

  • 必要最小限のスペックを見極める(オーバースペックは避ける)
  • DDR4メモリ搭載モデルを検討する
  • ミドルレンジGPUで妥協する(RTX 4060、Radeon RX 7600など)
  • セール時期を狙う(決算期、年末年始など)

2027年に向けた準備

待てる方は、今から以下の準備をしておくことをおすすめします:

  • 購入予算を計画的に貯める
  • 欲しいスペックを明確にしておく
  • 価格動向をウォッチする(価格比較サイトを活用)
  • 次世代製品の発表スケジュールを確認する

【コラム】自作PCという選択肢

中級者以上の方なら、自作PCも検討価値があります。2026年の価格高騰期でも、パーツを個別に選定することで、BTOや完成品よりもコストを抑えられる可能性があります。

例えば、GPUとRAMは中古市場を活用し、CPUとマザーボードは新品を購入するといった柔軟な戦略が取れます。ただし、中古パーツは保証期間や状態の確認が重要です。メルカリやヤフオクでは、マイニング用途で酷使されたGPUが出回っていることもあるため、出品者の評価や使用歴を必ず確認しましょう。

また、2026年後半から2027年初頭にかけて、RTX 50シリーズの中古品が市場に出回る可能性があります。新型発表直後は、前世代の製品を手放す人が増えるため、狙い目のタイミングです。

参考: 価格.com – PCパーツ価格動向

最後に

テクノロジーの世界では、「待つ」ことが最良の投資になることがよくあります。2026年は確かに厳しい年になりそうですが、2027年には状況が改善する可能性が高いのです。

あなたのPC購入計画が、この記事によって少しでも賢明なものになれば幸いです。焦らず、自分に本当に必要なものを見極め、ベストなタイミングで購入しましょう。

そして、もし今すぐ購入せざるを得ない状況なら、この記事で紹介した注意点を参考に、後悔のない選択をしてください。