「台風でも執筆は止めない」ASDの私が10万円で買ったのは、電気ではなく『精神安定』だった話。

はい、どうも! ガジェオキです。
ここ沖縄・那覇では、毎年シーズンになると「台風銀座」の名に恥じぬ暴風雨が吹き荒れます。 窓ガラスがミシミシと鳴り、気圧が下がり、湿度が急上昇するあの瞬間。
正直に言いますね。 私が一番怖いのは、暴風で屋根が飛ぶことではありません。
「停電で、いつものルーチンが強制終了すること」
これに尽きます。
PCの電源が落ちる、Wi-Fiのランプが消える、そして何より、私の精神安定剤である「扇風機の一定のリズム」が止まり、無音の蒸し暑い部屋に取り残される……。 発達特性(ASD)を持つ私にとって、この「急激な環境変化」こそが最大の災害なんです。パニックで過呼吸になり、仕事どころか生活そのものが崩壊します。
「スマホなんてモバイルバッテリーで充電すればいいじゃん」
そう思った方、ブラウザバックするのはまだ早いです。 私が今日語りたいのは、スマホの充電の話ではありません。「10万円払ってでも、停電中の『いつもの日常』を買い戻す方法」についてです。
これは、フリーランスのBCP(事業継続計画)であり、何より我々のメンタルを守るための「防衛費」の話です。
なぜ10万円? 投資家目線で計算する「パニックコスト」と「ダウンタイム」

まず、皆さんに問いたい。 「あなたが2日間、完全に仕事ができなくなったら、いくらの損失になりますか?」
私たちフリーランスや個人事業主にとって、時間は商品そのものです。 例えば、台風で丸2日停電したとします。 単なる売上の損失だけではありません。「納期に遅れるかもしれない」という信用リスク、そして何より、一度崩れたリズムとメンタルを立て直すのにかかる「復旧コスト」。
私の場合、一度パニックを起こしてリズムが崩れると、元の執筆ペースに戻るのに3日はかかります。 つまり、2日の停電で「実質5日分の稼働」を失うわけです。
仮に1日の稼働価値を2万円としても、10万円の損失。 そう考えると、10万円のポータブル電源を買うことは、たった一度の台風で元が取れる投資なんです。
キャンプでBBQをするために買うのではありません。 これは、私たちの「商売道具」と「精神」を守るための損害保険です。そう考えれば、減価償却費なんて月数千円。安すぎると断言できます。
スペック表は見るな! ASD的「心の平穏」を守る3つの絶対条件

さて、いざポータブル電源を選ぼうとすると、「容量〇〇Wh」「出力〇〇W」といった数字の羅列にめまいがするかもしれません。 でも、我々にとって重要なのはそんなカタログスペックではありません。
「パニックを起こさずに使えるか」
この一点です。私が数々の失敗を経てたどり着いた、ASD的・絶対選定基準を3つ伝授します。
1. 「パススルー充電(EPS/UPS機能)」は命綱
これが最重要です。 ポータブル電源を「普段は押し入れにしまっておく」なんて運用は、我々には不可能です。いざという時に充電し忘れているに決まっています。
だからこそ、「壁のコンセントとPCの間に挟んで、繋ぎっぱなしにできる機能(パススルー)」が必須なんです。 これがあれば、普段は家庭用電源でPCを動かしつつ、停電した瞬間に0.03秒でバッテリー駆動に切り替わります。 つまり、「停電したことに気づかないレベル」で作業を継続できる。このシームレスさこそが、パニック回避の鍵です。
2. 「定格出力」より「静音性」と「正弦波」
感覚過敏の同志諸君、ここテストに出ます。 安いポータブル電源は、冷却ファンの音が「フォォォォ!」と爆音だったりします。静かな部屋で執筆中にこれが鳴ると、それだけで集中力が切れます。 また、出力される電気が家庭用コンセントと同じきれいな波形(正弦波)でないと、PCや扇風機から「ジーー」という不快なノイズが発生したり、最悪故障したりします。
「修正正弦波」や「矩形波」と書かれた安物は絶対に避けてください。デスクトップPCやモニターを繋ぐなら、純正弦波一択です。
3. 容量の目安は「執筆要塞」の8時間稼働
冷蔵庫? 電子レンジ? そんな高出力な家電は、一旦忘れましょう。我々が守るべきは「聖域(デスク周り)」です。
私の構成(執筆要塞)は以下の通り。
- MacBook Pro + 外部モニター:約50〜70W
- Wi-Fiルーター(ONU含む):約10〜15W
- DCモーター扇風機:約20W
- 合計:約100W前後
これを8時間(一晩、あるいは一日の労働時間)動かし続けるには、「実効容量800Wh以上」が必要です。 バッテリーは変換ロスがあるので、表記容量の7〜8割しか使えません。 つまり、「1000Wh(1kWh)クラス」の製品が、我々の平穏を守るボーダーラインになります。
【実録】台風襲来! 外部遮断された部屋で「執筆要塞」を稼働させてみた
実際に、先日の台風で那覇市内が停電した時の話をしましょう。 時刻は夜の22時。外は暴風雨で、窓ガラスがガタガタと悲鳴を上げていました。
フッ、と部屋の照明が消えました。 エアコンの送風音が止まり、漆黒の闇と、湿った空気が押し寄せてくる……はずでした。
しかし、私のデスクの上だけは別世界。 ポータブル電源(私はEcoFlow DELTA 2を使用しています)が「カチッ」と微かな音を立ててバッテリー駆動に切り替わり、モニターの明かりは一度も瞬くことなく、書きかけの原稿を照らし続けました。 そして何より、足元の扇風機が、何事もなかったかのように首を振り続けている。
「あ、勝ったな」
そう確信しました。 Wi-Fiルーターも落ちていないので、SNSで「停電なう」と呟く余裕さえあります。 外の世界はカオスでも、私の半径2メートル以内は、いつもの平穏な日常が維持されている。この「コントロールできている感覚」が、ASDの私にとっては何よりも代えがたい精神安定剤でした。
ここが惜しい! リアルなデメリット
もちろん、完璧ではありません。正直な不満点も挙げておきます。
- 充電時のファンの音: 復電した後、急速充電モードになると「ブォォォン!」と結構な音がします。アプリで充電速度を落とせば静かになりますが、デフォルトだと驚きます。
- LEDの眩しさ: 本体の液晶画面やLEDが、真っ暗な部屋では結構眩しい。寝る時はマスキングテープで目隠しが必要でした。
- 重い: 1000Whクラスだと約12kgあります。腰をやらないように注意。まあ、この重さは「安心の重み」でもありますが。
【マニアの深掘り】ビビリな私たちが選ぶべきは「リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)」一択

ここで少し、中級者向けのニッチな話をさせてください。 2026年の今、これからポータブル電源を買うなら、バッテリーの種類は「リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)」以外あり得ません。
昔のポータブル電源(三元系リチウム)は、軽くて高出力でしたが、実は「熱暴走」のリスクがゼロではありませんでした。 心配性な私たちが、枕元に「発火するかもしれない大きな電池」を置いて、安心して眠れるでしょうか? 無理ですよね。
リン酸鉄リチウムは、電池の結晶構造が非常に強固で、釘を刺しても発火しないと言われるほど安全性が高いんです。 さらに、寿命(サイクル数)が段違い。
- 従来の三元系:約500〜800回(数年で劣化)
- リン酸鉄:約3000〜4000回(毎日使っても10年持つ)
10万円払っても、10年使えるなら年間1万円。 「いつか壊れるかも」という不安を抱えながら使うより、「物理的に頑丈で安全」という事実にお金を払う。これが、マニアとしてのファイナルアンサーです。
まとめ:それはガジェットではなく、メンタルの命綱
長々と語りましたが、結論です。 ASDや感覚過敏を持つフリーランスにとって、ポータブル電源は「キャンプ用品」ではありません。
- 停電時のパニックとダウンタイムを防ぐ「BCP投資」である。
- 「パススルー」機能で、繋ぎっぱなしの「執筆要塞」を構築せよ。
- 安全性と寿命重視で「リン酸鉄(LiFePO4)」を選べ。
具体的におすすめを挙げるなら、私が使っているEcoFlowのDELTAシリーズや、JackeryのPlusシリーズあたりが、サポート体制も含めて日本国内では鉄板です。今は各社ともリン酸鉄モデルが主流になっています。
今すぐやるべきNext Action
まずは、「自分の聖域(デスク周り)の消費電力」を知ることから始めてください。 Wi-Fiルーター、PC、モニターの裏にあるシールを見て、「W(ワット)数」を足し算してみましょう。
その合計数が、あなたが守るべき日常の重さです。
台風が来てからでは遅いです。配送も止まりますし、何より在庫が蒸発します。 平穏な今のうちに、あなたの「精神安定装置」を確保しておくことを、強く、強くおすすめします。
それでは、また次回の記事で。ガジェオキでした!











