スペックは最高峰なのに、心が踊らないフラッグシップ

新しいスマホを買うときって、ワクワクしますよね。特に20万円を超えるフラッグシップモデルなら、なおさらです。

でも、Galaxy S25 Ultraを数週間使い込んで感じたのは「技術的には完璧なのに、何かが足りない」という不思議な感覚でした。まるで、大好きな作家の新刊を楽しみにしていたのに、読んでみたら「悪くはないけど、前作のほうが良かったな」と思ってしまうような、そんなモヤモヤ感です。

オーバークロックされたSnapdragon 8 Elite、50MPに進化した超広角カメラ、最新のGalaxy AI機能。書類上ではどれも素晴らしいんです。それなのに、なぜ心が躍らないのか?

今回は、Galaxy S25 Ultraを徹底的に使い込んだ正直な感想と、このスマホが「合う人」「合わない人」をはっきりさせていきます。約17万円から25万円という価格に見合う価値があるのか、一緒に考えていきましょう。

まず知っておきたい:Galaxy S25 Ultraの基本スペック

詳しいレビューに入る前に、基本情報を整理しておきます。

主要スペック一覧

  • ディスプレイ:6.9インチ Dynamic 2X AMOLED(1〜120Hz可変リフレッシュレート)
  • プロセッサ:Snapdragon 8 Elite(オーバークロック版)
  • メモリ:12GB RAM
  • ストレージ:256GB / 512GB / 1TB
  • カメラ構成
    • メイン:200MP
    • 超広角:50MP(f/1.9)← 前モデルから大幅アップグレード
    • 望遠1:10MP(3倍光学ズーム)
    • 望遠2:50MP(5倍光学ズーム)
  • バッテリー:5,000mAh
  • 充電:45W有線 / 15Wワイヤレス
  • 素材:チタンフレーム(グレード5)+ Gorilla Armor 2
  • 防水防塵:IP68
  • サポート期間:7年間のOSアップデート + セキュリティアップデート
  • 価格:約17万円〜25万円(ストレージ容量による)

前モデル(S24 Ultra)からの主な変更点

  • デザインの統一(平らなフレームに変更)
  • 超広角カメラの大幅強化(12MP → 50MP)
  • Galaxy AI機能の追加・強化
  • Sペンの簡素化(Bluetooth機能削除)

一見すると順当な進化に見えますが、実際に使ってみると「進化」とは言い切れない部分もあるんです。

【本音レビュー】実際に使って感じた「良い点」と「残念な点」

圧倒的に良かった点

1. ディスプレイの美しさは文句なし

6.9インチのAMOLEDディスプレイは、どんなシーンでも期待を裏切りません。

私は通勤中にサッカーの試合をよく観るのですが、地下鉄の明るい車内でも画面がくっきり見えます。公称値では2,600ニットとPixel 9 Pro XL(3,000ニット)やOnePlus 13(4,500ニット)に劣りますが、正直、実使用では差を感じませんでした。

寝る前にSNSをスクロールするときも、目に優しい低輝度から十分な明るさまで、可変リフレッシュレート(1〜120Hz)のおかげでバッテリーを無駄に消費せず、しかも滑らか。動画視聴やゲームプレイでは、この大画面が本当に活きてきます。

2. バッテリー持ちは安心レベル

5,000mAhの大容量バッテリーは、朝7時に家を出て夜10時に帰宅するまで、余裕で持ちこたえてくれました。

私の典型的な使い方はこんな感じです:

  • 通勤中にSpotifyでポッドキャストを2時間
  • 昼休みに「Royal Match」で15分ほどゲーム
  • 仕事の合間にSNSチェックとメール返信
  • 帰宅後に動画を1時間視聴

これだけ使っても、就寝時には30〜40%のバッテリーが残っています。省電力モードなんて一度も使いませんでした。

ただし、充電速度は「普通」です。45Wの有線充電は2025年の基準では特別速いわけではなく、OnePlus 13の80Wには遠く及びません。とはいえ、Googleの37WやAppleの約27Wよりは明らかに速いので、Androidユーザーなら十分満足できるレベルでしょう。

3. カメラは「安定の高品質」

200MPのメインカメラは相変わらず素晴らしいです。特に印象的だったのが、今回アップグレードされた50MPの超広角カメラ。

冬のボルチモアで撮影した写真では、灰色の空と赤レンガの建物という地味な被写体でしたが、それでもディテールがくっきり。マクロモードでガラス瓶を撮影したときは、瓶の細かい傷やセメント製の台座の質感まで、驚くほど鮮明に捉えられました。

以前のGalaxy機種で問題だった「動く被写体のブレ」も、明るい場所ではほぼ解消されています。公園で走り回る犬も、スポーツイベントの動きのあるシーンも、日中ならバッチリ撮れました。

ただし、暗い場所での動体撮影は、まだ改善の余地があります。夜の屋内でペットを撮ろうとすると、シャッタースピードが遅くなってブレが目立ちやすいんです。

【マニアックコラム】フィルター機能の落とし穴

Galaxy S25 Ultraには、Fujifilmのカメラで撮った写真を元にカスタムフィルターを作成できる機能があります。私はX100Vで撮った画像を使ってフィルターを作ってみたのですが、結果は予想以上に良好でした。

ただし、これには注意点があります。このフィルターはあくまで「後付け」処理なので、元の写真データとは別物になります。RAW撮影派の人には、編集の自由度が下がるデメリットがあることを覚えておいてください。また、フィルターを適用すると処理に数秒かかるので、連写には向きません。

4. パフォーマンスは文句なしのトップクラス

Snapdragon 8 Elite(オーバークロック版)と12GBのRAMの組み合わせは、まさに「最高峰」です。

私がよく使うアプリでの体感:

  • ゲーム:「原神」を最高画質で30分プレイしても、熱くならず動作も安定
  • 動画編集:4K動画のトリミングやエフェクト追加もサクサク
  • マルチタスク:20個以上のアプリを開きっぱなしでも、切り替えがスムーズ

ベンチマークテストでも優秀な結果が出ています。PCMarkでは私が見た中で最高のスコアを記録し、日常的な様々なタスクで他のAndroid機種を上回るバランス性能を見せました。

ただし、GPU性能ではOnePlus 13に遅れを取る結果に。3DMarkのWild Lifeテストでは、連続実行で差が開きました。とはいえ、これは「最高」と「超最高」の違いであって、実使用では問題ありません。

5. 7年間のサポートは大きな安心材料

サムスンは7年間のOSアップデートとセキュリティアップデートを約束しています。つまり、2032年まで最新の状態で使い続けられるということ。

20万円以上の投資なら、長く使いたいですよね。Appleは従来から長期サポートで知られていましたが、Androidでもここまで長期間のサポートが受けられるのは心強いです。

正直に言うと残念だった点

1. デザインが「持ちにくい」

ここが私にとって最大のマイナスポイントでした。

前モデルのS24 Ultraは丸みを帯びたフレームで、大きいながらも持ちやすかったんです。でも、S25 Ultraは平らなチタンフレームに変更され、ガラス面に鋭角に接する設計になりました。

その結果、手のひらへの当たりがキツく、長時間持っていると疲れます。6.9インチという大きさもあって、私の小さめの手ではほぼ常に両手操作が必須になりました。

OnePlus 13やPixel 9 Pro XLは、同じく大型スマホですが、デザインの工夫で持ちやすさを確保しています。サムスンもせめてフレームの角を少し丸くするだけで、使い勝手が大きく改善するはずなんですが…。

素材は最高級なのに、持ち心地は二の次?

グレード5のチタンフレームとGorilla Armor 2は、確かに最高級の素材です。約20万円のスマホをケースなしで持ち歩けるのは、この頑丈さあってこそ。

私が選んだ「Titanium Silverblue」は、微妙に異なる3つの色合いが混ざったような淡いブルーで、眺めているだけで美しいです。

でも、それだけに「もったいない」と思ってしまうんです。せっかくの高級素材とデザインが、持ちにくさで台無しになっている感じがして。

2. SペンがBluetoothなしに「ダウングレード」

これは衝撃でした。前モデルではBluetoothを搭載していたSペンが、S25 UltraではBluetooth機能が削除されたんです。

つまり、離れた場所からカメラのシャッターを切るといった便利な機能が使えなくなりました。三脚を立てて集合写真を撮るとき、以前はSペンのボタンでシャッターを切れたのに、今はタイマーか音声コマンドに頼るしかありません。

サムスンの説明では「ほとんどのユーザーがその機能を使っていなかった」とのことですが、使っていた人にとっては大きなマイナスです。

3. Qi2対応が「中途半端」

Galaxy S25 Ultraは「Qi2 Ready」と謳われていますが、実際には専用の磁気ケースが必要です。つまり、本体そのものにはMagSafe的な磁石が内蔵されていないんです。

しかも、その磁気ケースを使うと、Sペンに干渉する可能性があるとのこと。せっかくのSペン搭載機なのに、Qi2を使うとSペンが使いにくくなるって、本末転倒じゃないでしょうか。

Appleが2020年にMagSafeを導入してから5年、Wireless Power Consortiumが標準化してから2年も経つのに、この対応状況は残念です。

4. 「AI機能」は差別化要因になっていない

Galaxy AIは確かに便利です。特に「Circle to Search」(画面上を円で囲んで検索)は直感的で、友人との外出中に見つけた商品をすぐに調べられました。

「Note Assist」も、会議のメモを自動で要約してくれるので、忙しいビジネスパーソンには重宝するでしょう。

でも、正直に言うと、これらの機能はGoogleのPixelシリーズにもほぼ同じものがあります。サムスン独自の強みとは言えないんです。

「AI電話」(通話のリアルタイム翻訳)は面白い機能ですが、私の周りに外国語を話す人がいなかったため、実際に試す機会がありませんでした。もし頻繁に国際電話をする人なら、活躍するかもしれません。

5. 価格が高すぎる

最後に、やはり価格です。約17万円からのスタートで、1TBモデルは25万円近くになります。

この価格帯なら、もっと革新的な何かを期待してしまいますよね。でも、前モデルからの進化は「超広角カメラの改善」「AI機能の追加」「デザインの統一」くらい。劇的な変化はありません。

同じ価格帯で、iPhone 16 ProやPixel 9 Pro XL、OnePlus 13といった魅力的な選択肢がある中で、S25 Ultraを選ぶ明確な理由が必要になります。

【実体験】私がGalaxy S25 Ultraを選んだ理由と、後悔したこと

ここからは、もっと個人的な話をします。

なぜS25 Ultraを買ったのか

私がGalaxy S25 Ultraを購入した理由は3つでした:

  1. Sペンへの期待:ブログのアイデアをサッと書き留めたかった
  2. カメラ性能:旅行や日常のスナップ撮影に使いたかった
  3. 大画面:動画視聴とゲームを快適に楽しみたかった

特に、Sペンは「これがあればiPad miniを持ち歩かなくて済む」と考えていました。会議中のメモや、外出先でのちょっとしたスケッチに使えると思っていたんです。

実際に使ってみて…

結果から言うと、Sペンはほとんど使いませんでした。

理由は単純で、「大きくて重いから、片手で持ってSペンを操作するのが辛い」んです。232gという重量は、見た目以上に手に負担がかかります。

カフェでメモを取ろうとしても、結局スマホを机に置いて両手で操作することになり、それなら普通にキーボード入力したほうが速いんですよね。

カメラは期待通り素晴らしかったです。でも、「これはPixel 9 Pro XLでも同じくらい撮れるんじゃないか?」と思う瞬間が何度もありました。

私が後悔した瞬間

一番後悔したのは、友人と比較したときです。

友人がOnePlus 13を持っていて、並べて使わせてもらったんですが、そのときに気づいたんです。「あれ、こっちのほうが持ちやすいし、値段も5万円くらい安いのに、できることはほとんど同じじゃないか」と。

もちろん、Galaxy S25 UltraにはSペンがあるし、サムスンのエコシステム(GalaxyウォッチやGalaxy Budsとの連携)があります。でも、それに5万円以上の価値があるかと言われると、正直微妙です。

【結論】Galaxy S25 Ultraを買うべき人、見送るべき人

数週間使い込んだ結論として、このスマホが「合う人」と「合わない人」をまとめます。

こんな人には全力でおすすめ

  • サムスンのエコシステムを既に使っている人
    • GalaxyウォッチやGalaxy Budsを持っているなら、連携が抜群
    • サムスンのタブレットやノートPCとのデータ共有もスムーズ
  • Sペンを本気で活用できる人
    • イラストを描く、手書きメモが多い人には唯一無二の選択肢
    • ただし、大きさと重さを許容できることが前提
  • カメラ性能を最優先する人
    • 200MPメインと50MP超広角の組み合わせは、撮影の幅が広い
    • 特に日中の風景撮影や旅行写真には最適
  • 長期間使いたい人
    • 7年間のサポートは大きな安心材料
    • 初期投資は高いが、長く使えばコスパは悪くない

こんな人には別の選択肢をおすすめ

  • コスパ重視の人
    • Pixel 9 Pro XLやOnePlus 13は、同等の性能で5〜7万円安い
    • 特にOnePlus 13は、私が使った中で最もバランスが良かった
  • 持ちやすさを重視する人
    • 6.9インチで232gは、女性や手の小さい人には辛い
    • Pixel 9 ProやiPhone 16 Proのほうが、片手操作しやすい
  • 最新技術を求める人
    • S25 Ultraは「安定の高性能」であって「革新的」ではない
    • 折りたたみスマホなど、別の形態のほうが面白いかも
  • Qi2(MagSafe的な磁気充電)を使いたい人
    • 専用ケースが必要で、しかもSペンに干渉する可能性がある
    • iPhoneやQi2完全対応の機種のほうがストレスフリー

まとめ:「完璧だけど、特別じゃない」スマホ

Galaxy S25 Ultraは、技術的には完璧に近いスマートフォンです。

ディスプレイは美しく、パフォーマンスは最高峰、カメラは安定して高画質、バッテリーは長持ち。どの項目を見ても、平均以上の評価ができます。

でも、それだけでは「特別」とは言えないんです。

2025年のスマホ市場は、どのフラッグシップも高性能になりすぎて、差がわかりにくくなっています。その中でGalaxy S25 Ultraは、「安全で確実な選択」ではあるけれど、「ワクワクする選択」ではなかった、というのが私の正直な感想です。

もしあなたが、

  • サムスンのエコシステムに既に深く入り込んでいる
  • Sペンを日常的に活用する予定がある
  • 大画面と最高峰のスペックにこだわりたい

という条件に当てはまるなら、Galaxy S25 Ultraは間違いなく最良の選択肢です。7年間のサポートも考えれば、長期投資として十分に価値があります。

でも、もしあなたが「何か新鮮な体験がしたい」「もっとコスパの良い選択肢を探している」なら、一度立ち止まって他の機種も検討してみてください。

特にOnePlus 13は、私が長年使ってきた中で最もバランスの取れたスマホでした。Pixel 9 Pro XLも、Googleの最新AI機能とカメラ性能を考えれば、非常に魅力的です。

最終的には、あなたの使い方と予算次第。でも、少なくとも「Galaxy S25 Ultraは完璧なスマホだから、これを選べば間違いない」という時代は、もう終わったのかもしれません。