「情景が浮かばない…」をゼロにする。クリエイターのためのAI画像生成活用術(思考補助編)

ハイサイ!ガジェオキです。
沖縄の青い海を見ながらキーボードを叩いていると、たまにフッと「言葉の神様」が降りてこなくなる瞬間があるんですよね。
みなさんも、そんな経験ありませんか?
小説や脚本を書いていて、ストーリーの大筋は決まっている。登場人物も動かしたい。でも、彼らが今いる場所の「具体的な空気感」がどうしても描写できない。
あるいは作曲をしていて、作りたい曲のテーマはあるのに、イントロの音色がどうしても頭の中で鳴ってくれない。
パソコンの画面で点滅するカーソルを見つめて、気づけば1時間経過……なんてこと、クリエイターなら一度はあるはず。これ、本当に辛いですよね。「自分には才能がないんじゃないか」って落ち込んだりして。
今日は、そんな「創作のスランプ」や「メンタルブロック」に陥ったとき、僕が(そして周りのクリエイター仲間が)こっそり使っている、ちょっと変わったAI活用術を紹介します。
AIに作品を「作らせる」のではありません。AIを最強の「壁打ち相手」にして、自分の脳内にあるモヤモヤしたイメージを強制的に視覚化する方法です。
正直、これを知ってから「真っ白な原稿用紙」が怖くなくなりました。
では、早速いってみましょう!
なぜクリエイターが「思考の補助」にAI画像生成を使うべきなのか

結論から言うと、人間の脳は「文字情報」よりも「視覚情報」を処理する方が圧倒的に得意だからです。
小説家であれ音楽家であれ、最終的なアウトプットが文字や音だとしても、その源泉となるインスピレーションは、多くの場合「映像」や「情景」として脳内に浮かんでいることが多いのではないでしょうか?
スランプに陥っているとき、僕たちの脳内は、言いたいことの「核」はあるけれど、その周囲を取り巻くディテールが霧に包まれている状態なんです。
言語化できない「もやもや」を瞬時に視覚化できる
「なんとなく寂しい、雨の日の都会」
これだけだと、ありきたりな表現しか出てきませんよね。でも、この「なんとなく」をAIに投げてみると、想像もしなかった角度で具体的なビジュアルを返してくれます。
「濡れたアスファルトに反射するネオンサインの滲み方」 「傘をささずに歩く人物の、コートの重たそうな質感」
AIが生成した画像には、自分一人ではたどり着けなかったディテールが詰まっています。「そうそう!この感じ!」という一枚に出会えた瞬間、止まっていた思考が一気に動き出すんです。
脳内の「検索ノイズ」を排除して集中力を高める
これ、意外と重要なんです。
情景が浮かばないとき、Google画像検索やPinterestで資料探しを始めたりしませんか?でも、検索結果には関係ない広告が出たり、面白そうな別の画像に気を取られたりして、気づけばネットサーフィン……なんてことも。これじゃあ時間がもったいない。
AI画像生成なら、あなたが入力した「プロンプト(命令文)」に忠実な画像だけを出力してくれます。ノイズのない、自分専用のムードボードが一瞬で作れるわけです。
【初心者向け用語解説:プロンプトとは?】 AIに対する「命令文」や「指示書」のことです。「猫の絵を描いて」もプロンプトですし、もっと詳細に「サイバーパンク風の背景で、赤いマフラーをした黒猫が、屋根の上から街を見下ろしている様子。水彩画タッチで」と指示するのもプロンプトです。このプロンプトの書き方次第で、AIが出してくる答えの質が大きく変わります。
【想定シーン】スランプ脱出の実践録:AIを「壁打ち相手」にする具体的な手順

ここでは、ある小説家が「重要な別れのシーン」で筆が止まってしまった、という想定で、実際にどのようにAIを壁打ち相手にするのかを見ていきましょう。僕自身の経験や、周囲のクリエイターの事例をミックスした、よくあるシナリオです。
【状況設定】 ・主人公(男)とヒロイン(女)が、深夜の空港のロビーで別れ話をしている。 ・お互いまだ好きなのに、夢のために別れなければならない切ない状況。 ・書き手は「切ない」「静か」という感情は分かっているが、その場の空気感や、二人の距離感、具体的な描写が浮かばず、セリフだけが空回りしている。
ステップ1:現状のモヤモヤを言語化する
まず、今頭にある断片的なイメージを書き出します。きれいに書く必要はありません。
深夜の空港。人は少ない。静か。二人は少し離れて座っている。窓の外は暗い。切ない雰囲気。照明は少し暗め?
これだけだと、まだ弱いですよね。ここでAIの出番です。今回は、手軽に使えるChatGPT(DALL-E 3)や、高品質なMidjourneyなどを想定します。
ステップ2:AIに「視覚的な壁打ち」を依頼する(プロンプト入力)
最初のプロンプトは、ざっくりとした雰囲気と、具体的な要素を少し混ぜるのがコツです。
【プロンプト例】 深夜の国際空港の出発ロビー。ほとんど人がいない静寂な空間。巨大なガラス窓の向こうには、駐機場の誘導灯がぼんやりと光っている。一組の男女が、少し距離を空けてベンチに座っている。雰囲気は映画のようにシネマティックで、切なく、少し冷たい空気感。照明は落とし気味で、青白いトーン。
ステップ3:生成された画像からインスピレーションを「逆輸入」する
AIが数枚の画像を生成してくれます。
出てきた画像を見て、書き手はハッとします。
「ああ、これだ。この空気感だ」
例えば、AIが生成した画像の中の、こんなディテールに目が止まるかもしれません。
- 発見1: 誰もいないロビーの床が、ワックスでピカピカに磨かれていて、そこに窓の外の誘導灯の光が長く伸びて反射している。
- 発見2: 二人の間の距離が、ベンチ一つ分だけ空いている。その絶妙な「埋まらない距離感」が、二人の関係性を物語っている。
- 発見3: 女性の方が、足元のキャリーケースのハンドルを、両手でぎゅっと握りしめている。
これらのディテールは、最初の自分の頭の中にはなかったものです。
ステップ4:文章に落とし込む(Before / After)
AI画像から得た「床の反射」「ベンチの距離感」「キャリーケースを握る手」という具体的なビジュアルを、自分の文章に組み込みます。
【Before:AI使用前】 深夜の空港は静かだった。二人はベンチに座り、別れの話をしていた。窓の外は暗く、切ない空気が流れていた。「もう行かなくちゃ」彼女は言った。
これでは状況説明だけで、情景が浮かびません。
【After:AIを壁打ちにした後】 最終便が出た後の空港ロビーは、耳が痛くなるほどの静寂に包まれていた。ワックスで磨き上げられた床には、窓の外で明滅する誘導灯の赤い光が、血のように滲んで反射している。
私たちは、間にちょうど人一人が座れるだけの距離を空けて、冷たい金属製のベンチに腰掛けていた。この数十センチが、今の私たちには永遠のように遠い。
「もう行かなくちゃ」
彼女はそう呟くと、足元のキャリーケースのハンドルを、指の関節が白くなるほど強く握りしめた。視線はずっと床に落としたままだ。
いかがでしょうか? AIが作った画像をそのまま文章で説明したわけではありません。画像から「ヒント」をもらって、それを自分の言葉で再構築したのです。これが、AIを「壁打ち相手」にするということです。
もう詰まらない!インスピレーションを引き出すプロンプト術とコツ

AIから良いインスピレーションを引き出すには、ちょっとしたコツがあります。「何を描くか(被写体)」だけでなく、「どう感じるか(雰囲気・ライティング)」を伝えることが重要です。
抽象的な感情や雰囲気を「色」と「光」で伝える
具体的な物が思いつかないときは、色や光を指定すると効果的です。
- 寂しさを表現したい時:「彩度を落とした、青とグレーのトーン」「雨の日のような湿った空気感」「逆光で顔が見えない」
- 希望を表現したい時:「雲の隙間から差し込む一筋の強い光(God Ray)」「ゴールデンアワー(夕暮れ時)の温かい光」「埃が光の中で舞っている様子」
音楽家の方なら、「この曲のジャケット写真を想像して」といって、曲の雰囲気を色や場所で伝えるのもアリですね。
「Lo-Fiヒップホップのジャケット。深夜3時、散らかった部屋で一人で作業する少女。窓の外は雨。温かいオレンジ色のデスクライト。アニメーションスタイルで」
これで出てくる画像を見れば、どんな音色を使えばいいか、なんとなく見えてきませんか?
【マニアックコラム】LLMと画像生成AIの「反復横跳び」プロンプト設計
ここからは少し中級者以上向けの話です。 最高の壁打ち相手を作るために、テキスト生成AI(ChatGPTやClaudeなど)と、画像生成AI(Midjourneyなど)を連携させる「反復横跳び」テクニックがあります。
- テキストAIに相談する: まずClaudeなどに「今、小説でこういう退廃的なシーンを書きたいんだけど、具体的な情景描写が思いつかない。Midjourneyで使えるような、詳細で視覚的なプロンプトを英語で作ってくれる?」と相談します。
- プロンプトを生成させる: Claudeが、ライティング、カメラアングル、質感まで指定した詳細な英語プロンプトを提案してくれます。
- 画像生成AIに入力する: そのプロンプトをMidjourneyにそのまま貼り付けます。
- 画像をテキストAIに戻す: 生成された画像の中で気に入ったものを、今度はChatGPT(GPT-4Vなど画像認識できるもの)に見せて、「この画像から感じ取れる雰囲気や、特徴的なディテールを、小説風の表現で5つリストアップして」と依頼します。
この「テキスト→画像→テキスト」の変換プロセスを経ることで、自分の脳内だけでは絶対に出てこない、予想外で豊かな語彙や表現を獲得できるんです。これは強烈に効きますよ。
まとめ・結論
AI画像生成を「思考の補助ツール」として使う方法、いかがでしたでしょうか。
クリエイターの中には、「AIを使うなんて、ズルをしているようで気が引ける」「自分の創造性が失われるんじゃないか」と不安に思う方もいるかもしれません。その気持ち、痛いほど分かります。
でも、今回紹介した使い方は、AIに作品そのものを代行させることとは根本的に違います。
あくまで、あなたの脳内で凝り固まってしまったイメージをほぐすための「高級なムードボード作成機」であり、優秀な「壁打ち相手」なんです。
最終的に、その画像から何を感じ取り、どんな言葉を選び、どんなメロディを紡ぐのか。その「選択」と「構築」こそが、あなたのクリエイティブの本質であり、そこはAIには絶対に奪えません。
スランプで苦しんでいる時間は、本当にもったいない。使えるものは何でも使って、あなたの素晴らしい作品を世に送り出す手助けにしてみませんか?
まずは食わず嫌いせずに、無料のツールからでも触ってみてください。「あ、こういう使い方ならアリかも」と思える瞬間が、きっと来るはずです。
さあ、僕もキーボードに戻ります。 沖縄の風を感じながら、ガジェオキでした!










