【RG35XXレビュー】30代の枯れた心に火をつける。通勤電車が「冒険の旅」に変わる魔法のガジェット

まえがき:あの頃の「熱狂」を、今のカバンに忍ばせて
「ピーーーッ、グワン!」
この起動音が脳内で再生されたあなた。あるいは、乾電池の蓋を無くしてセロハンテープで止めていた記憶があるあなた。
これは、そんな私たちのための記事です。
毎日、満員電車に揺られ、会社と家の往復。帰宅してテレビの前に座り、PS5やSwitchの電源を入れる……そんな気力、残っていませんよね。据え置き機の美麗なグラフィックは素晴らしいけれど、今の私たちには「重すぎる」のです。
「もっと手軽に、あの頃のドット絵の世界に浸りたい」 「寝る前の15分だけ、レベル上げをしたい」
そんな30代〜40代の切実な願いを叶えてくれるのが、今回紹介するAnbernic(アンバーニック)の『RG35XX』です。
一見すると、懐かしの「あの縦型携帯ゲーム機」。しかし中身は最新技術の塊。これは単なるゲーム機ではなく、忙しい現代人が失った時間を取り戻すための「タイムマシン」かもしれません。
今回は、実際にこの機種を手に取ったと仮定し、大人の社会人がどのように楽しむべきか、その魅力と「守るべきマナー」について、じっくりと語り合いたいと思います。
なぜ今、最新ゲーム機ではなく「RG35XX」なのか?
最新のスマホゲームでもレトロ風ゲームは遊べます。では、なぜわざわざ専用のハードウェアを買う必要があるのでしょうか。理由は大きく3つあります。
1. 「物理ボタン」という絶対的な正義
タッチパネルでの操作には限界があります。アクションゲームでジャンプのタイミングがズレたり、RPGのコマンド選択で誤タップしたり……。あのストレスは、没入感を著しく削ぎます。RG35XXには、確かな「押した感触」があります。十字キーの適度な反発、ボタンを押し込んだ時の沈み込み。これこそが、私たちが求めていた手触りです。
2. 所有欲を満たす「ガジェット」としての完成度
スケルトンボディやグレーの配色。当時のゲームボーイを彷彿とさせつつ、ベゼル(画面の枠)は狭く、洗練されています。デスクの端に置いておくだけで、なんだか良い気分になれる。そんな「モノとしての魅力」が詰まっています。
3. 財布に優しい価格設定
高騰するゲームハードの中で、RG35XXは非常に安価です。為替やセール時期によりますが、おおよそ7,000円〜9,000円前後で購入可能です。飲み会を2回我慢すれば手に入るタイムマシン。このコストパフォーマンスは驚異的と言えるでしょう。
実際に遊んでみて分かる「現代技術」の恩恵
ここでは、実際にRG35XXを手に取った際の「想定される使用感」を、具体的なシーンを交えてレビューしていきます。
画面の美しさが「思い出補正」を超えてくる
まず驚くのが、3.5インチIPS液晶の美しさです。 昔のゲーム機は、暗い場所では全く見えませんでしたよね? 公園の木陰や、親に隠れて布団の中で遊ぶために、外付けライトを付けたりしたものです。
RG35XXの画面は自発光で明るく、視野角も広い。ドットの一つひとつがくっきりと発色します。
- 当時の記憶: 残像がひどく、緑がかった画面
- RG35XX: パキッとした発色、クッキリとした輪郭
皮肉なことに、画面が綺麗すぎて「ドット絵がカクカクしすぎて見える」という贅沢な悩みすら生まれます。しかしご安心を。設定で「スキャンライン(走査線)」などのフィルターをかけることで、あえて「ブラウン管テレビのような滲み」を再現することも可能です。
操作性:おっさんの指に優しい設計
背面にL/Rボタン(トリガー)が配置されており、スーパーファミコン世代のゲーム操作も快適です。 特筆すべきはボタンの「押し心地」。安っぽいカチカチ音ではなく、少しコトッとした、しっとりした押し心地にチューニングされています。これにより、電車内などの静かな場所でも、周囲を気にせずプレイに集中できます。
忙しい社会人のための「隙間時間」活用術
「ゲームを買っても、やる時間がない」 これが最大の悩みですよね。RG35XXは、その悩みを解決する機能を持っています。
シーン1:通勤電車の15分
カバンからサッと取り出し、電源ON。Linuxベースの軽量OSのおかげで、起動は爆速です。 RPGのレベル上げを数回行い、駅に着いたら**「スリープモード」**へ。 かつてのように、セーブポイントを探して焦る必要はありません。いつでもどこでも、電源ボタン一押しで時間を止められます。
シーン2:就寝前のクールダウン
スマホのブルーライトは睡眠の質を下げると言われますが、SNSのタイムラインを追うのも疲れますよね。 そんな時、ベッドサイドで10分だけパズルゲームを遊ぶ。画面輝度を最低まで下げれば、家族を起こすこともありません。スマホの通知に邪魔されることなく、純粋にゲームの世界だけに没入できる時間は、現代において最高の贅沢です。
【重要】大人の嗜みとして。「吸い出し」と権利の話
さて、ここで必ず触れなければならないのが「ゲームデータ(ROM)」の話です。 ここを曖昧にすると、大人の趣味として成立しません。
専門用語解説:エミュレーターとは?
エミュレーター 本来そのゲーム機でしか動かないソフトを、別のハードウェア(今回の場合はRG35XX)で擬似的に動かすための仕組みのこと。
RG35XXには、最初から多数のエミュレーターが搭載されています。しかし、肝心の「ゲームソフト」はどうすればいいのでしょうか?
絶対にやってはいけないこと:
- インターネット上の違法サイトからROMデータをダウンロードする。
- 他人が吸い出したデータをもらう。
これらは著作権法違反であり、刑事罰の対象にもなり得ます。 「昔持っていたからDLしてもいい」という理屈は通用しません。
「吸い出し」という通過儀礼
私たちがとるべき正攻法は、「手持ちのカセットからデータを吸い出す」ことです。 Amazonなどで「ダンパー(吸い出し機)」と呼ばれる機器が販売されています。これを使って、押し入れに眠っている自分のカセットからデータをPCに移し、それをRG35XXのmicroSDカードに入れるのです。
- カセットをフーフーした思い出
- 端子を綿棒で掃除する手間
この「吸い出し作業」すらも、私たちにとっては儀式のような楽しさがあります。「自分の資産を、最新の環境で遊ぶ」。これこそが、クリーンでカッコいい大人の遊び方です。
カスタムFW「GarlicOS」の沼へようこそ
ここからは少しマニアックな話になります。 RG35XXの真価は、OSを書き換えた時に発揮されると言っても過言ではありません。
標準のOSでも十分遊べますが、世界中の有志が開発したカスタムファームウェア(CFW)、特に「GarlicOS(ガーリックオーエス)」を導入すると、世界が変わります。
GarlicOSを導入するメリット
- オーバークロック対応: 処理落ちしやすい重いゲームも、CPUクロックを上げて強引に滑らかに動かせる。
- UIの美しさ: メニュー画面を自分好みのスキンに変更可能。
- レジューム機能の強化: ゲームを終了した瞬間の状態を自動保存し、次回起動時にそこからシームレスに再開できる機能が超強力。
標準OSが「ガラケー」だとしたら、GarlicOSを入れたRG35XXは「スマホ」に進化したような感覚です。導入にはPCの知識とmicroSDカードの操作が必要ですが、これをいじり回している時間こそが、ガジェット好きにとっての至福の時でもあります。 ※CFWの導入は自己責任となります。
まとめ:RG35XXは「思い出」を入れる宝箱
最新のゲーム機は、映画のような体験を提供してくれます。 対してRG35XXは、「あの頃の自分」に会わせてくれる装置です。
- 3.5インチの美しいIPS液晶
- 所有欲を満たすレトロなデザイン
- スリープ機能による、隙間時間の活用
- 約8,000円という手軽さ
もしあなたが、「最近ゲームを楽しめなくなったな」と感じているなら、それはゲームがつまらなくなったのではなく、遊ぶ環境が今のライフスタイルに合っていないだけかもしれません。
押し入れから古いカセットを引っ張り出し、ホコリを払い、データを吸い出して、手のひらサイズの最新マシンで持ち歩く。 そんな「大人の秘密の遊び」、今週末から始めてみませんか?











